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ホスティングサービスとクラウドの違い&メリット・デメリットとは?
インターネット上にコンテンツを提供する方法としては、「ホスティング(レンタルサーバー)」の利用が一般的です。しかし、最近では「クラウド」によるコンテンツの提供というのも増えてきました。
ただし、正直なところ「ホスティングとクラウドって何が違うの?」と理解していない方が多く見られます。実際、ホスティングとクラウドというのは、サービスの特徴から全くの別物と言えるのです。
今回は、そんなホスティングとクラウドの違いについてご紹介しましょう。また、ホスティングとクラウドのメリット・デメリット、コンテンツ別のおすすめにまで触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.ホスティングとクラウドとは?
冒頭でお伝えした通り、インターネット上にウェブサイトやブログなどのコンテンツを提供する方法としては、「ホスティング」の他に「クラウド」というものが存在しています。では、ホスティングとクラウドとはどのようなサービスなのでしょうか?
ホスティングとは
ホスティングとは、「レンタルサーバー」とも呼ばれ、1台のサーバーを複数人または1人でレンタルするサービスです。シェアハウスの一室や一軒家を借りるイメージをすると、分かりやすいかもしれません。
一軒家の場合は別ですが、シェアハウスではトイレも台所も共同です。そのため、別の住居者のマナーが悪いと、シェアハウス全体の利便性は低下しやすいと言えます。ホスティングは、他の契約者の影響を受けやすいのです。
クラウドとは
クラウドとは、ホスティングと同様に1台のサーバーを複数人でレンタルするサービスです。ただ、ホスティングとは異なり、どちらかというとマンションやホテルの一室を借りているイメージが分かりやすいでしょう。
マンションやホテルには、トイレも台所も個々に付いています。そのため、あくまでプライベートな空間としてより自由に過ごすことができます。つまり、クラウドは他の契約者の影響を受けにくいのです。
どんな影響が考えられるの?
一見すると、ホスティングもクラウドも、サーバーの一室を借りているのですから同じように思えるかもしれません。しかし、「共有スペース」であることと「独立スペース」であることは大きく異なります。
サーバーというのは、1台の高性能コンピューターです。当然、性能には限界があります。ディスク容量またはデータ通信量が限界になると、その性能は大きく低下してしまうのです。
ホスティングは共有スペースということで、1人の契約者が多くディスク容量やデータ通信量を消費すると、他の契約者の必要量を確保できません。また、サーバー自体の機能が低下し、コンテンツの表示速度も遅くなります。
その点、クラウドは独立スペースとして、1台のサーバーの中でも明確に機能が分けられています。そのため、ホスティングのように1人の契約者に左右されることなく、十分なディスク容量やデータ通信量を確保できるのです。
2.ホスティングとクラウドのメリット・デメリット
ここまでの説明では、ホスティングよりもクラウドの方がメリットは大きいように感じます。しかし、ホスティングにはクラウドにはないメリットがあります。両方のメリット・デメリットを把握した上で選ぶ必要があるのです。
導入面
ホスティングでは、「月々いくら」とプランに合わせて明確に料金が設定されています。そのため、契約したプラン内のディスク容量やデータ通信量を消費しきれなくても、一定の導入コストが発生するのです。
クラウドは、基本的に「使った分だけ」で料金が決まります。例えば、「1GBごとにいくら」などです。つまり、導入面ということではお得!になりやすく、ホスティングよりも手は出しやすいと言えるでしょう。
運用面
ホスティングでは、契約さえすれば事業者がサーバーのメンテナンスからトラブル対応まで、おおよその運用をしてくれます。そのため、基本的に私たち契約者側がサーバーを管理する必要はないのです。
クラウドは、サーバー内に専用の個室を設置するため、契約者側である程度の設定・管理を行う必要があります。当然、それに伴う知識も必要です。つまり、運用面ということでは、ホスティングの方が簡単と言えます。
機能面
ホスティングでは、事業者が提供する同じ機能・サービスの中から利用するのが一般的です。最近では、幅広いサービスを提供する事業者も増えてはきましたが、自由にカスタマイズできる訳ではありません。
クラウドは、あくまで固有スペースをサーバー上に持っています。部屋の中はある程度自由に模様替え(カスタマイズ)が可能です。つまり、機能面ということなら自由度の高いクラウドの方が魅力的と言えます。
ホスティングとクラウドの未来!
2017年7月現在、まだサービスの普及率で考えるのなら、ホスティングの方が人気は高いでしょう。また、長くサービスが提供されてきただけに、「安心感」というブランド的価値もあります。
ただ、今後は徐々にホスティングからクラウドへと、サービスの割合は移ることが予想されます。安定のホスティングを選ぶのか?早めにクラウドへと乗り換えるのか?今がまさに分かれ道なのです。
3.コンテンツ別に考える
インターネット上には、ブログや企業サイト、ECサイトやサテライトサイトなどさまざまなコンテンツが提供されています。当然、コンテンツごとに目指すものは異なり、それに合わせてホスティングとクラウドを選ぶ必要があるのです。
ブログ
ブログや小規模サイトであれば、ホスティングがおすすめと言えます。これは、ホスティングの中には100円(税別)/月のサービスもある上、サーバーの設定が比較的簡単な設計であるためです。
また、ホスティングの中には、契約者向けにウェブサイトのテンプレートを提供していることもあります。わざわざコンテンツのデザイン・設計を行わなくとも、気軽にブログや小規模サイトを始められるのです。
企業サイト
企業サイト(コーポレートサイト)もまた、ホスティングをおすすめします。これは、ホスティングの多くが企業向けに高性能・高機能・大容量なサービスを提供しているためです。
また、企業向けサービスの多くは、稼働率の高いサーバーや高いセキュリティを導入しています。その上、高性能なサーバーを管理する必要もなく、安心して企業サイトを運営できるのです。
ECサイト
ECサイト(ネット通販)を開設するのなら、クラウドがおすすめでしょう。これは、ECサイトでは突然知名度が上がり、アクセス数が急増することが考えられるためです。クラウドであれば、状況に合わせて柔軟に対応できます。
また、クラウドの多くは「SSD(超高速記憶媒体)」を使用しています。SSDは、従来のHDDに比べて書き込み・読み込み速度は格段に速く、アクセス数が集中したとしても遅くなりにくいのです。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、ホスティングとクラウドの違いについて考えてきました。サーバーの一部または全部をレンタルするということでは、ホスティングもクラウドも同じサービスに見えます。
ただ、ホスティングは共有スペースのあるシェアハウス、クラウドは固有スペースのあるマンションのような存在です。他の契約者の存在を考えるのであれば、自由度の高いのはクラウドと言えます。
ただ、ホスティングには高性能から格安まで、豊富なプランが提供されています。つまり、大切なのは提供するコンテンツに合わせて、ホスティングかクラウド、ベストなサービスを選ぶということです。